30代前半とは思えぬ仕上がりのジャン・ギャバン。晩年と比べるとだいぶ細いが、なんだこの存在感。100年生きてもこの貫禄には辿り着けそうもない。
アルジェリアのカスバの街が主役のひとつ。入り組んだ迷宮のようなエキゾチックな空間。この舞台設定があってこその一本。
逃亡中のジャン・ギャバンは街に守られて一見自由に暮らしているが、殆ど囚われの身。恋しかったのは女なのか、故郷なのか。望郷の念が溢れ出すとき、無情な汽笛が想いをかき消す。人生うまくいかないもんだな。
「君といるとパリを思い出す。別世界にいるみたいだ。景色が変わる。」