Lila

アメリカン・フィクションのLilaのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.6
アカデミー賞ノミネート作品コンプリートまであとひと息です。アメリカでは、まだ映画館でやってたので、のんびり観てきました。

これはアメリカに住んでないと肌感が難しい作品のような気がしますが、主役のジェフリー・ライトの絶妙なインテリ感が肝です。調べると育ちは良さそうなので、実際本当に優秀なんでしょうけども、アメリカでインテリな黒人として生きる難しさを絶妙に表現できているので、ノミネートになったのかなあ?とか思いながら見てました。なんていうか、パッと見はラッパーにも逃亡者にも見えるフォルム、でも温かみも含めて雰囲気が上品で、イケイケ過ぎないインテリ感。こういうタイプのアフリカ系アメリカ人が、正に色んな面でレッテルを貼られながら差別を受けて、苦労しているのだと思います。

兄役のスターリング・K・ブラウンは「This is Us」のドラマシリーズで躍進した役者で、全シーズン見た派の私としては、「ああ、また兄弟と家族に悩まされてるわ」と思っちゃうのが、シリーズもので売れちゃった人の宿命だなーと。でも、彼もゲイで薬やりながら人道外れつつも、絶妙にインテリ感を残せる強者。妹役の女優さんも同じ。

上手いキャスティングだなー!と改めて思いました。

皮肉や自虐にクスクスって笑いながら、時折入るロマンスや家族愛にほっこりしつつ。ちょっと形の違うギルバートグレイプ的な?家族って難しい。

黒人揶揄や皮肉は結構どストレート級なので、ここまで表に出してきたっていうところ自体がコメディでしょう。

地味にビーチハウスや実家、車、街、カフェ、全体的に画角とか綺麗で、アメリカだなーと思いながら映像に浸れるのも魅力でした。

日本は配信直行だろうなーと思ってたら、やはり今月末から制作元であるAmazonプライムでの配信ですね。うむ。劇場は難しそうな作品なので納得です。

しかし、ダイバーシティ意識した作品が多いですね。ノミネート作品ラインナップ見ると全作品それがテーマのような。

The dumber I behave, the richer I get.
Lila

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