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アメリカン・フィクションのVisorRobotのレビュー・感想・評価

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
4.1
家で、AmazonPrimeで見た。アメリカの黒人が、いかにも黒人らしい小説をわざと書いて大ヒットするという皮肉たっぷりの話ということは知っていたのだが、意外にそれ以外というか家族の物語の比重が高かった。

「いかにも黒人らしい小説(貧困、ドラッグディール、ギャング、警察に殺される……)」と主人公モンク(ジャズピアニスト、セロニアス・モンクからついたあだ名)の生活(医者家系、精神を病んで自死を選んだ父、母の介護問題)などが対置されているのだから、それも当然ではある。

なんで主人公がモンクというあだ名なのか、黒人らしい小説あるあるはどのくらいあるあるなのか、わからない。結末も含めてかなりハイブロウで、世間はこう思っているけど違うよな?という‟わかっているやつ”向けの語り口なので、なんかよくわからん複雑なガストロノミー料理を食べさせられたような気持ちになる。

とはいえ、なんとなく、分からないでもないぜというプライドで、楽しめたことにする。といえるくらいには楽しめた。

しかし、黒人(ぽい)文学の市場が米国でどれくらいあるのかが分からないと結局あんまりぴんと来ない。
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