うめまつ

異人たちのうめまつのレビュー・感想・評価

異人たち(2023年製作の映画)
4.4
あまりにも優しく悲しくもあたたかいラストシーンに吸い込まれそうになった。寂しさがとてつもない純度で結晶になって、その光で何億光年先までも照らしてくれるような澄んだ美しさだった。このエンドロールの余韻を一つ残らず真空パックして常備薬にしたい。そうすれば私に棲まう孤独も少しは息がしやすくなるだろうし、誰かの孤独の組成を見つめる手助けにもなると思う。

映画は光である。暗闇に穴を開け外の世界へと繋がる一筋の道である。記憶は毛布であり、命はぬくもりであり、時間は目に見えない恐怖である。この世はとびきり美しい夢を見せる地獄であり、貴方はもう此処には居ない。その事実は私の心を永久凍土に閉じ込めるが、同時にひどく安堵もさせる。何故ならもうこれ以上、貴方を悲しませる事も苦しませる事もないのだから。今夜はもう永遠に傷つくことのない貴方の抜け殻を抱いて眠ろう。「怖いものから護ってあげたい」という気持ちが愛のはじまりならいいのに。










以下ネタバレと反省。

終盤のさよならレストランでめちゃくちゃ感動してたんだけど、頭の片隅では「え、結局パートナーを見つけないと人間幸せにはなれませんよ」ってオチなの?それはちょっと旧ステレオタイプ過ぎるんじゃないの??今2024年だぜヘイ???なんて思ってたら全然違って本っっっ当穿った見方してすみませんでした!!(土下座)
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