おかもと

Hereのおかもとのレビュー・感想・評価

Here(2023年製作の映画)
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考え事してしまって集中して見れなかったけど、考えてみると集中しないことを許すコンテンツって意外と無いのではないかと思う。勿論vtuberのながら見とかもあるけど、あれをクリエイティブなものと言えるかというと結構微妙な気するし。

昨今の作品の多くはおそらく人間の心を、刺激に対する反射に還元してしまっていて、短いショットを切り替えまくることによって飽きさせないようにするので、意識が集中せざるを得ない。それをしないのがいわゆる長回しやけど、大体は人間中心の耽美主義ないし芸術至上主義の文脈で使われることが多い気がする。でもこの映画ではそうじゃなくて、そんなことせんでも美しい自然の中を美しいものが動いていることだけで既に奇跡的なことだよと言われているような気がする。ヒーリング効果が高かった。

中国人って本当にどの国にもおるなっていうのが印象的で、中華と華僑には思想的な一貫性があるんだろうなと思う。映画に現れる食事シーンでは、中国人が箸でご飯を食べている引き画が一番好きで、陶器に箸の当たる音が食欲を唆る。

蘚苔学者になりたいと思った。あと現代人ってほんま疲れてるんやろな。