難解ではあった。ただ、どん詰まりのなか、どこかに希望を見出していくのだろうかと、4人の姿を最後まで見届けたい気にさせる。不思議な心地のする映画。ここまで削ぎ落した演出だと役者の力量が相当問われたのではと想像するけど、表情のひとつひとつ、台詞のひとつひとつに、行き場がなくどうしようもない気持ちを今自分が感じてるかのように理解出来る。さすがだなあと。
4人はそれぞれに喪失感を抱えて、でも、誰かを何かを失ったからといって、その関係がそこでブツ切れになるわけではない。思い出の中、夢の中、そして自分自身の中でずっと続いていく。そうしたものに救われることがある。最後のマコトの表情から、この作品はその繋がりを肯定的に描いているのではないかと感じた。
