Sachika

シルバー・ダラー・ロードの記憶のSachikaのレビュー・感想・評価

3.6
一族でずっとこの土地を管理してきた。
それが突然白人の企業に起訴され、収監。
土地の権利を一部奪われた、黒人家族の実際の事件を追うドキュメンタリー。

"司法は黒人を差別している" その言葉が過去ではなく実際に今も、彼らの心身に不安を与え続けている事に胸が痛む。

お金はなくても愛はある、白人に土地を渡すな。
先祖代々この土地を守り・肥やし・繁栄させた。
社交場を作り、その地の黒人も、白人も遊びに来て、みんなで踊り・歌い明かした。
それが何故今は土地を奪い合う、悲しい土地になってしまったのか。

答えは簡単、そこに価値があるから。
水辺には海水浴場と家を何軒か建てて、内地にはゴルフ場。
そんなレジャー施設を作り、お金持ちの年寄りの白人に土地を売る。
その為には黒人から土地を奪う必要がある。一度奪ってしまえばジェントリフィケーション、金持ちの白人の収める税金で土地の値段が上がり、納められない貧乏な黒人は、立ち退くしかなくなってしまう。

これが何十年前の話ではなく、今現在も双方の主張が続いてる事に驚きだし、釈放も最近の話だったことも。
住んでるだけで不法侵入扱いなのは胸糞だった。

また『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』と併せて考えてみる。
こちらは白人に追われた先住民が、最期の土地だと住み始めた場所で石油を掘り当て お金持ちになり、白人から命を狙われる話。
一方本作は白人に割り当てられた黒人の土地を、漸く肥やし守っていたけれど、今や脅され奪われている話。

おいおい白人🤷‍♀️っていう言葉しか出ないどうしようもなさ。
いつかこの差別に答えが出る時がくるのだろうか。
Sachika

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