Koshii

あいつの声のKoshiiのレビュー・感想・評価

あいつの声(2007年製作の映画)
3.5
韓国三大未解決事件の一つであり、本作はイ・ヒョンホ君誘拐殺人事件をもとに制作されている。


以下、ネタバレや感想を含みます。











本事件は、身代金目的の誘拐だと推測されており、その脅迫の電話は44日間で60回を超えていた。犯人の狡猾さに加え、警察関係者の杜撰な捜査も背景にあり、その電話のやり取りから核心となる証拠を見つけることが出来なかった。

ヒョンホ君の両親及び警察らをもて遊ぶように執拗に脅迫し続けたあげく、事件当日より44日後にヒョンホ君は変死体となって発見される。さらに残忍な事に、事件当日に窒息死させられていることも分かった。

鑑賞後、やるせない気持ちでいっぱいになった。

映画作品という観点から本作を見た場合、かなり内容の薄い印象を受ける。遺族の苦しさ、杜撰な捜査に対する苛立ち、犯人に対する憤りなど、鑑賞者に十分に伝わらない構成だったように感じた。恐らくは、ヒョンホ君の父親の職業を実際の事件と変更し、人気ニュースキャスターとした事で、同情路線のような体裁を取ったことが理由だろう。
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