回想シーンでご飯3杯いける

ファミリー・スイッチの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ファミリー・スイッチ(2023年製作の映画)
3.3
クリスマス前の惑星が一直線に並ぶ夜に、家族が入れ替わってしまうコメディ。父と息子、母と娘、というW入れ替わりに加えて、赤ちゃんと飼い犬まで入れ替わってしまう辺りで、完全に笑いの量産体制に振り切った作風である事を察するべし。

親を面倒くさいと思っている子供達、今時の子供はクールで熱量が足りないと思っている親。そんな一家の立場が入れ替わって、当初は対応に四苦八苦するも、やがて互いの立場を理解していくという展開は、予想通りとは言え、安心して楽しめる。

しかし、家族全員が一気に入れ替わる設定が、コメディとしてマイナスに働いている側面もある。入れ替わり系コメディは、入れ替わった事を周囲にバレないよう苦労するとか、事情を説明しても信じてもらえないとか、途中段階が面白いのに、今作の設定だと全員が状況を理解して、互いを中の人の名前で呼び合ってしまうので、全ての笑いが予定調和に見えてしまう。あくまで外見と中の人のギャップや、役者のオーバーアクションで笑うコントとして割り切って観る方が良いのかも。

父親が所属するアマチュアバンドのメンバーとして、ウィーザーが全員出演していて驚いた。他にも音楽にまつわる小ネタあり。