教授

続・猿の惑星の教授のレビュー・感想・評価

続・猿の惑星(1970年製作の映画)
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作品としては「トンデモ」な出来。
それ故の、というべきかなかなか「カルト的」な魅力を持った作品で、個人的にはとても楽しめた(終盤少し寝た)。

前作の主人公テイラーを演じたチャールトン・ヘストンが「基本的には出たくない」という意思を固辞した為、本作の主人公はブレント(ジェームズ・フランシスカス)に。
最初と最後にテイラーが物語に絡んでくるので、構成も更に歪なものになっている。

ただ映画として、前作で示された「禁断地帯」の向こう側に、核戦争の生き残りの人間がミュータント化し、コバルト爆弾(核ミサイル)を崇拝するカルトと化しているというグロテスクさは面白い。

また一方でテイラーの存在の余波によって、保守思想が席巻し、センシティブに反応したゴリラたちが率いる軍部が蜂起。
世論を形成して侵略に向かうというキナ臭さもなかなかにリアリズム。

どことなくラフなカメラワークや、凡庸なショットの羅列が、そのキナ臭いエピソードと相まって妙な不穏さを駆り立てる画面になっている。

砂漠や森の平べったい地味な画ヅラがメインで展開し、ノヴァ(リンダ・ハリソン)もあまりに呆気なく絶命。
猿たちとミュータントの殺し合いで揉み合っている中、更に息絶えるブレントにテイラー。
もはやヤケクソとばかりに核ミサイルの発射ボタンを押し、呆気なさと素っ気なさを加えて地球が滅亡(消滅)するラストの容赦なさは心地よかった。
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