わたぼう

タタミのわたぼうのレビュー・感想・評価

タタミ(2023年製作の映画)
4.0
東京国際映画祭2023 コンペティション部門にて。

柔道×イラン映画(ジョージア映画?)というだけで、面白そうな予感の上、モノクロ映画としてのルックスも◎。冒頭のヒップホップ的な音楽からも一味違ったイラン映画(ジョージア映画?)な雰囲気もあり、期待が高まる。

ヒジャブを着けて試合出てるし、女性の権利的なアスリートの話かと思いきや、ちょっと想像と違かった。

柔道世界選手権の最中、コーチの元に「試合を棄権しろ」との連絡が届く。これはコーチが秘密を抱えて葛藤する、アスガー・ファルハディ映画のようなサスペンススタイルな感じかな?とも思わせるが、それとも違う方向へ進み、緊迫感を増していく。

モノクロの映像で、柔道の試合上のライディングが実に決まってて、ストーリーとも相まって緊迫感を掻き立てていた。

ただ、世界柔道でしょ? どの階級だって、日本人選手いるよね? そこに当たらず、イランだろうが、イスラエルだろうが、中東の国はそんなに勝ち進めないのでは…、しかもフランス代表とかにま技をしっかり決めて一本勝ちしてたし。主人公めっちゃ強い設定なのか…? 実話ベースで、元は男性選手の話なんだよね。男性なら階級によっては分かるんだけど。なんかそのあたりがモヤモヤした。

あと、実況の内容が翻訳のせいもあるのかもしれないけど、「命をかけて戦ってます」という言い回しが3回ほどあって、そんな実況しないだろ…。と。ちょっとリアリティにかけた。オリンピック選手に指導してもらったらしく、主人公の動きとかはよかっただけに、細かいところの詰めが甘いなと感じた。

それと、女性に変更したのは、エンタメ性を上げるためだけだったのかな? そのあたりの理由も欲しかった。まあ、ヒジャブの女性が柔道してるのが、断然ビジュアルが強くていいんだけど。
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