残虐な事件で家族を失ったとある男を描く短編作品。
ある日突然人生が変わってしまう辛さ。今作は家族が事件に巻き込まれたことがきっかけだったけど、その他にも事故、災害、病気など色々あると思う。
もうこれまでの人生には戻れない。この気持ちは当事者にしか分からない。きっと彼はこれから何度も何度も、見知らぬ家族、家族に似た誰かを見かけては胸が張り裂けそうになるのだろうな。生き地獄を味わうだけの余生って何なのだろう。人生ってあまりにも不公平だと思いたくなる。
この先彼の心安らぐ時間が、ほんの一瞬でも、少しでも多くあれば良いなと思う。