ヤマ

ゴールド・ボーイのヤマのレビュー・感想・評価

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)
3.5
沖縄。中学生の朝陽と親友の浩、その義妹の夏月の3人は、ある日偶然殺人の犯行現場をカメラでとらえてしまう。3人は犯行に及んだ男を脅迫して大金を得ようと画策する。

狂気を秘めた殺人犯もさることながら少年たちも負けず劣らず一筋縄ではいかない。どちらにいつどのようにして破綻が訪れるのか。殺人犯を演じる岡田将生と朝陽役・羽村仁成の、張り詰めた心理戦と頭脳戦、駆け引きの行方が焦点となっていく。

閉塞感漂う境遇にある少年たちの一矢報いる逆襲劇は、一見ジュブナイル的でありながらもノワールの色合いが濃くなる。やるせなく悲劇的でもある。しかしそんな見方さえひっくり返されかねないところに、この作品の真骨頂があるように思う。
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