ミシンそば

ありふれた教室のミシンそばのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.3
昨日のうちにレビューを書けなかった主要因の映画。
ずっと不快で、理不尽な展開しかないのに、寝落ちはできず目も離せない。
アカデミー賞ノミネートも納得行くほどの怪作だった。

盗難事件が多発する学校で、中1(七年生)のクラスを受け持ったイギリス留学経験のある熱心な新任教師のカーラが、ゼロトラレンス方式を取って強引な捜査や同調圧力の利用なども辞さない校の方針に反発して、ひとりで勝手に捜査をして、確実ではないが証拠としては一応機能する隠し撮りを行い、容疑者(“犯人”とは言わない)を割り出す。
そこから同僚からの不興や生徒からの反感を一身に買ってしまい、窮地に陥って行くと言うのが本作の全てだ。

ゼロトラレンス方式は、問題の多い方式であるとは思うが、生徒の思考の多様化(と言うか“賢しさ加減”)を考えれば、今でも廃れずにあるのもまた頷ける。
カーラにも落ち度は多いが、正直クラスの生徒や新聞部の生徒の言動は腹が立つし、同僚教師の言動もまた腹立つ。

ラストは、事件の渦中に置かれた生徒との間にある伏線が回収された時は、ああ、こんな息苦しい映画であっても狂気的な終わり方はしたくないのかな、ってほっこりしてからの“アレ”だからな。
「あの学校、廃校なれ」って自分は正直思いました。

イルケル・チャタク、名前覚えたぞ。