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湖の紛れもなき事実のTenKasSのレビュー・感想・評価

湖の紛れもなき事実(2023年製作の映画)
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途方もないというか何の救いもないというか、記録としての映画が忘れ去られる者を救い得るのではないかという楽観さえも否定していくような感じ。政治の暴走や自然災害が、個々人の何もかもを容赦なく覆い隠す。落下してくるものや下から突き上げてくるもの、つまりは重力がゆっくりと人の記憶を押し潰していく4時間弱という印象。
ラヴ・ディアスの映画を観るときに個人的に感じる、人間が重要だと思うことに関心があるのは人間だけという感覚が割と如実に出てる気がした。しかし過去の変なミュージカルとか変なSFとかの方がまだパンチがあったような気もしている。
これだけ長いのに結構大胆な時間の省略が多い。撮影媒体が多分シーンで違うところがある。謎のノイズが画面に走る。
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