ピポサル

メイのピポサルのレビュー・感想・評価

メイ(2023年製作の映画)
4.4
東京国際映画祭2023

自分好みな作品。ひとりの人間がこの世界にどういうスタンスで臨んでいるのか、それがわかるだけでもうおもしろい。毒舌で相手を罵ったりすぐにお金や家の話をするけどメイおばちゃんも孤独や寂しさを感じていて...いや、このバイアスがダメだ。メイおばちゃんなりにこの世界で生きていることを楽しんでいるのだ。決して金銭的に裕福ではないけど友達とダンスや麻雀を楽しんだりタバコ吸ったり男を値踏みしたりIKEAで買い物したりしていて豊かさがある。カートを引きながら上海中を歩き回るメイおばちゃん、常に移動をしていないとなんだか落ち着かないのはわかる。どこか居場所を求めて常に忙しくしているけど、心地よい場所を見つけても目が覚めたらまた外に出かけていくんだろうな。
近代的な都市で生活するひとりの人間を押し付けがましさが一切ないよう、それでいて人物の魅力が引き立てられるような撮影もとてもよかった。予告も最高。
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