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ゴースト・トロピックのピポサルのレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
4.0
生活に大きな不満があるわけではないものの、変わらない日々にこのままでいいのだろうか...どこか遠くへ行きたいと思っている主人公。終電で寝過ごしてしまい夜な夜な街を歩くことで小さな旅をすることになる。再開発によって生まれ変わる土地やシングルマザーとしてコンビニで働く女性、ホームレスが凍死してしまう現場に出くわすなど、主人公が知らなかった社会の辛い部分に触れることになる。そして娘の夜遊びを目撃してしまい、観客は主人公自身も問題や悩みを抱えていることがわかる。ラスト、娘の眼差しを見ると母と娘で何か溝があるようにも見える。
16mmフィルムで撮影された景色は美しく、優しさも垣間見えるけど、そのなかにある残酷さはなかなかのものだった。
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