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ありふれた教室のピポサルのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
4.4
もうやめてあげてと思うほど孤立しどんどん追い込まれていく姿がツラい。ツラいけどこのヒリヒリ感がたまらない。
生徒を守るためというのは本心で、最後まで保身に走っていなかったカーラ。初手を間違えたというが、大ごとにせず当事者間で内密に済ませようとしたからこそああいう行動になったんだと思う。しかし予想だにしない反発をくらい、そこから泥沼にはまっていく。カーラに誠実さがあるから相手に期待してしまったんだな。
窓枠に囲われて映るカーラは八方塞がりに見えるし、教室のなかにいるカーラと雨でずぶ濡れの相手という対比で相手側の背景に苦労や貧困が思い浮かぶし、キャンディを投げ返すことでオリバーの不安定さにハッと気付かされるしで、随所に映像表現の上手さを感じた。めちゃくちゃ完成度が高い映画だった。
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