KnightsofOdessa

ひとつの愛のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ひとつの愛(2023年製作の映画)
2.5
[] 50点

イザベル・コイシェ長編最新作。山麓の村に引っ越してきたナタリアは、あまりのボロ家具合に大家にキレると、折り込み済みだろ!と逆ギレされ、これだから女は~というミソジニーまでプレゼントされる。ここらへんでもう別の村に移住したほうが良いのでは~と思うのだが、ナタリアはこの村この家に執着し続ける。なぜ。なんか両親の出身地でしたとかでもあればまた話が変わってくるのかもしれないが、執着の理由はよく分からず。大家を含めた男たちは口を開けば噂話、自慢、ミソジニー、ヤらせろ!の四択という、口の付いたチンコがうようよといった感じで、まさにカス男博覧会の様相を呈している。その中のひとり、ドイツ人と呼ばれる、いかにも女慣れしてなさそうな熊男にヤらせろ!と言われたので、色々あって心を開いていくわけだが、ここでも彼女の甘さが炸裂する。ちなみに、中盤で彼はアルメニア人ディアスポラであることが明かされるのだが、これは衝撃的で、そんな彼を"ドイツ人"と呼ぶ西欧的横暴さにはハッとさせられた。ここで、難民申請事務所で通訳の仕事をしていたが、難民申請者たちの語る身の上話が辛すぎるので辞めて引っ越してきたというナタリアの甘さやナイーブさもここに絡んでくるが、これは正直あってもなくてもといった設定だった。最後の最後まで爆発力なく、文字通りの不発。スペインの田舎は怖いよ映画ということでほぼ『ザ・ビースト』と一緒だな。巨漢も出てくるし。
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