Monsieurおむすび

一月の声に歓びを刻めのMonsieurおむすびのレビュー・感想・評価

一月の声に歓びを刻め(2024年製作の映画)
3.7
#一月の声に歓びを刻め
背負う必要のない罪を感じながら、それでも生きることを選んだ人々のオムニバス。
性犯罪の被害者やその家族、罪の意識に囚われるそれぞれの声は、どこかコントロールを失った心と体からこぼれるような悲痛さを帯びている。
消えることも解放されることも、ましてや忘れれるわけもないだろうが、何かを区切りにしたり、日々に託しながら進もうとする姿が切実。

実体験を踏まえてとのことで、これまでの三島監督作品とは少し印象が違い、とても感傷的でパーソナル。
映像や演出に表れている疼く傷みを役者陣が汲み取っているのが伝わる。
本作が監督自身や深い心の傷を抱える人の背中を押せばいいなと思うと同時に、「人間はみな罪人だ」という台詞の意味にも耳を傾けて、思考を続けなければと思わされた。
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