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青春18×2 君へと続く道のhiyoriのレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
3.6
藤井道人の作品。良くも悪くも演出が物語の構成に引っ張っられ過ぎな傾向があるが、本作では台湾パートと日本パートで大きく印象を変え、時の流れを感じさせるかのように設計されている。とはいえ本作は清原果耶の魅力に尽きるのではないだろうか。「宇宙でいちばんあかるい屋根」から3年半が経ち、年上のお姉さん役。相変わらず自分の感性に落とし込んで芝居ができる役者で、青春映画としての瑞々しさを包括したような存在。本作は日本と台湾の国境を越えた作品が肝となるが、そのロケーションを交互に綺麗に捉えたという意味ではなかなか良い。ただそれ以上の意義について踏み込めた作品ではなかったと感じる。1点興味深いのはNETFLIXの「パレード」と同様に映画内映画が重要な役割を果たしていることだ。本作は原作があるから偶然かもしれないが藤井道人が自己の青春期を振り返り映画に打ち震えた経験が込められているのは間違いないだろう。それと「First Love 初恋」を見た時もそうだが、岩井俊二の「Love Letter」やMr.Childrenはもう過去の思い出のようにレファレンスされる対象になったのかと時間の流れにただ感慨深くなった。
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