岩嵜修平

広島を上演するの岩嵜修平のレビュー・感想・評価

広島を上演する(2023年製作の映画)
3.5
マレビトの会の「上演する」シリーズの「福島を上演する」「長崎を上演する」に続いての3作目。今回は映画で。4本の短編のオムニバスで、ロケ地は広島に限らず東京での撮影も含め様々な切り口から広島を描く。制作意図を図りかねた作品もあったが、興味深く。

個人的には、草野なつか「夢の涯てまで」が最も印象に残った。飯岡幸子による撮影ということもあってか、杉田協士作品と同様、長回しで無言の余白を存分に活かしていた。大切な人の喪失を描いている点においても『春原さんのうた』を強く想起。人との会話や陶芸や描画や読書を通じての癒しもリアル。

三間旭浩「しるしのない窓へ」
交換詩と創作を通じての今の広島という街と自分自身の理解。
山田 咲「ヒロエさんと広島を上演する」
被爆者自身による当時と自らの母についての語り。あまりにシンプル。
遠藤幹大「それがどこであっても」
上演風景とフィールドレコーディング。関田育子作品を想起。
岩嵜修平

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