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あんのことのaiのレビュー・感想・評価

あんのこと(2023年製作の映画)
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事実に基づく物語。これが現実なんだと思いたくなかった。
"親ガチャ"なんて言葉は使いたくないが、あんにとってそれ以外の言葉が見つからないほどの状況。
ゴミだらけの狭いアパートで娘を"ママ"と呼ぶ母親からの暴力と買春強要。さらに薬物依存。
そんなどん底から希望を見いだし少しずつ自分の足で歩き始めた最中に訪れた世界的なパンデミック。
信じていた人を失い、小さな光を奪われて、あんは再び絶望する。悲しいがとても美しいシーンだと感じてしまった。

ただ見せて欲しかったシーンがことごとくない。想像できるがさすがに物足りなくて不完全燃焼。

メインの役者3人のバランスは絶妙だった。
佐藤二郎が演じた多々羅という刑事の胡散臭さと情の深さの匙加減が最高に良い。
稲垣吾郎の正義感を信じて突っ走り、後で後悔する融通の効かなさ。
河合優美の光の宿らない目に魅せられた。

2024、28本目。
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