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ライラの冒険 黄金の羅針盤のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.3
めちゃくちゃ久しぶりに観た。
確かこれも当初は三部作の予定ではなかったか。
でも、1作で打ち切られた。

この頃は『ロードオブザリング』『ハリーポッター』『ナルニア国物語』とか、壮大なファンタジー巨編が流行ってた頃。

本作もその流れに乗るべくして作られた作品なのだろうか。

ニコール・キッドマン、ダニエルクレイグ、サムエリオット、クリストファーリー、エヴァグリーン。

キャストも錚々たる豪華ぶり。
サムエリオット、ホント渋いな、このおっさん。
こんなおじさまになりたい。
この映画は2007年。今から14年も前だけど、この頃からずっと渋いおじさま。素敵。

1作で打ち切られたのは、これがそうしたキャストや製作費にお金をかけたにも関わらず、それに見合うヒットができなかったからだろう。

ものすごい世界観。
人と“ダイモン”と呼ばれる動物がとある絆で結ばれて運命共同体の如く、相棒として一心同体。
どっちかが痛むとどっちかも痛がり、どっちかが死ぬとどっちかも死ぬ。

姿も変幻自在で会話もできるこの相棒、めっちゃ憧れる。苦楽を共にできる良きパートナー。

その昔、この星には“ダスト”と呼ばれる要素が存在し、それらが異なる世界と繋がっていた。
これを恐れて支配者は“ダスト”の存在を葬った。

それらの真理を封じたはずが、“黄金の羅針盤”、真実を探し求められるコンパスの存在がある限り、また人がその真理に辿り着いてしまう。

その真理を封じたまま支配層に君臨したい人間と、“ダスト”により異なる世界の存在を探究したい人間とのいざこざ。

そのいざこざに巻き込まれたのが、主人公、ライラ。
ライラには、その“黄金の羅針盤”を読み解ける世界にたった一人の存在だとか。

そのライラと羅針盤を巡り、ライラのアドベンチャー、なのだが。

意外と話が政治色もある。むしろ前半は、どこの誰がどうで、どこの誰がどこの誰を介して何かを目論む、みたいな話が多い。

ライラが旅に駆り出されてからも、パーティーに出たり、ニコール・キッドマンに付き合わされたり、妙に大人の世界を奔走する。

そこから急に逃げ出して、世界が開けたと思ったら、今度は色んな人種が出てきて、どことどこが繋がってて敵対してて、ライラを守るのか、さらいたいのか、と、相関図がいっきに錯綜し始める。

この独特の壮大な世界観と、政治色と、人同士の摩擦と、陰謀。

そこに鎧グマと気球乗りのサムエリオット。
もう、要素の盛り込み方がエグい。

三部作想定だとしても、いきなり1作目から全部出し過ぎ!みたいなてんこ盛り盛り。

その辺が、脱落者を生み出してしまったのかも知れない。「色々ありすぎてついていけないー!」ってなっちゃったのかも知れない。

その気持ちは、かなりわかる。
実際、色々盛り盛りしまくり過ぎて、ちょいちょい雑にささっと強引に進めてるシーンもあった。

高カロリーな壮大な冒険ファンタジー映画好きには、全部乗せが観れる映画。
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