ベルリンからカット割りを多めにして、視野を世界全体に拡げたような作品。
秒数が短くなってカット1つ毎の味わいは減じてしまったが、代わりに異なる国の似た題材を合わせるカット割りの面白さが際立っていて、さながら編集で遊んだリュミエール兄弟の作品みたいな趣があり素晴らしかった。
所々見られた音響を音楽のように使う場面も白眉で、映像の豊かさと編集の面白さが堪能できる逸品。
最初の方で椰子の木を登るシーンや跳ね橋が可動する様子等、モアナや十月のオマージュと思しき映像もあったが、そのオマージュを捧げたような作品と同様の素晴らしさがこの映画にもあった。