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九十歳。何がめでたいのsuniのネタバレレビュー・内容・結末

九十歳。何がめでたい(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

脚本の運びが奇を衒わず欲しいところに連れて行ってくれる、見ていて気持ちのいい話だった。
吉川が表情をつくり空元気で愛子先生に電話するところの唐沢寿明の演技のうまさでちょっと泣いた。

吉川の家族の在り方というか、人は所有していると感じるものに対して誠意が薄れてしまうという感覚、身に覚えがあり見ていていたたまれなかった。
妻の「あなたのこと嫌いなの!」がほんとに痛快で。あそこでヨリを戻す展開にならないところで吉川の成長と、だからって今までの行いが肯定されるわけではない側面が同時に感じ取れて良い。
所有している、という感覚がなくなるとき(つまり別れる瞬間)が1番お互いに優しくなれるんだよね。

誠実に生きようと思えた。いくつになっても。
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