このレビューはネタバレを含みます
「素晴らしい演奏をした喜びは永遠に残る」
「明日という日はないと思って弾くのだ」
可能性の芽を摘まれる描写の息苦しさにすごく身に覚えがあって辛かった。
父が愛おしげに眺めていた息子の新聞の切り抜きを燃やし尽くすシーンと、ラフマニノフの演奏で涙を流すシーンが印象的。愛の側面も確かにあるのに、あるからこそキツイんだよね。
ロンドンは寒いから、といただいた手袋の指先を切りピアノに没頭する一連の執念の演奏がすごくすごく好き。
ラストシーンの父の墓前でのやり取りに一切の感傷がなくて、私はそれにとても救われた。良い映画を観た。