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オットーという男のsuniのネタバレレビュー・内容・結末

オットーという男(2022年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

リメイクに苦手意識があり元ネタの映画がすごく好きだったから観るのが遅くなってしまった作品。何でもっと早く観ておかなかったんだろう。すごくすごく良かった。

あらすじとしては最愛の妻に先立たれた夫が新たに出会う人々と交流を深めていく王道の話なんだけど、このフォーマットがどうしても好きなんだよね。世界のすべてだと思っていたものを喪っても人生は続いてゆくし、優しさも幸福も至るところに存在している、という希望。

元映画のどれだけ周りと交流を深めても死にたい気持ちが消えないところが好きだったから、そのまま踏襲されていて嬉しかった。妻の声が薄れてゆくからあらゆるものを遮断したい気持ちそのものを私はどうしても否、と言いたくない。正しい受容の仕方だよ。
だけどやっぱりままならないね、誰かとの関わりは否応なしに続いてしまうね、という部分。絵空事なんだけど。この絵空事が終始貫かれているからこの映画が好き。

ソリチュードが過剰に押されていないのも良かったな。自分の心のやわらかい部分を尊重してくれる相手には態度が軟化してゆくところ。彼の中の妻の存在の大きさを感じる。一途であるが故なんだよね。喪失を克服する手段が「忘れること」ではないアンサーを出してくれる作品が近年増えていて 本当に嬉しい。

オットーとマリソルの心の距離が近付いていくスピードが本当に肌に合って気持ち良かった。サントラもすごく素敵だったな…。

元ネタの映画のラストシーン、主人公が最期に亡くなった妻と再会するシーンがめちゃくちゃ好きだったから 欲を言えばあれが観たかったよ!!元ネタをもう一度観ます。
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