矢嶋

帰ってきた あぶない刑事の矢嶋のネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきた あぶない刑事(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

例えばシティーハンターみたいに、当時のノリをそのままやる展開も結構予想していた。
実際は、適度にノリは引き継がれているものの、当然に時間の経過を感じさせる内容になっていたと思う。実写だから無理があるというのもあるし、時代にそぐわないというのもありそう。つまり、あぶない刑事のイケイケなノリって当時の日本の雰囲気そのものだということ。それを今そのままやると、懐かしくはあってもグロテスクだからこれでいい。

相変わらず軽妙さはあるがどことなく落ち着いた感じもあり、適度に当時のシーンを挿入して思い出に浸れる雰囲気がよかった。
アクション面でも落ち着いており、そもそも刑事ではないので銃は普段撃たない。それなりには戦闘するが大活躍して無双って感じはなく、そのシーンまでも結構溜める。銃を撃つにも(ガバガバではあるが)ちゃんと許可が下りるように手続きする。
こうした、実は当たり前のことをしているのはよかった。だからこそ、ここぞという場面で待ってたとなる。タカのバイクアクションはその筆頭。

舘ひろしも柴田恭兵も70歳超えてるのにアクションが見劣りせず、年の取り方もいい感じだったと思う。年をとって特にいい感じになったのは仲村トオル。見た目もかっこいいし、頼りない後輩キャラを守りながらここぞという時に決めるいい役柄だった。浅野温子は相変わらずだったが、もうあれは元がおかしいのでいいでしょう…。

他にもRUNNING SHOTが流れたり、クレジットにMemory of 中条静夫があったり、シリーズものの良さを感じられたと思う。

回想シーンがよかっただけに、CGで若返ったように見せるのは相当違和感あった。ラストの車が爆発するシーンも、そこだけ特撮みたいだったのでなくていい。
あとは、新人刑事達のちゃらついた感じがどうにも…。若者がいなきゃおかしいのはそうなんだが、ストーリー上いる意味がよく分からない。

総合的には、ノスタルジーと言えば全くそうなんだが、ひたすら安直な展開にしていないのはよかった。時の経過を感じさせ、それなりに必要な手続きを経ていたように思う。
矢嶋

矢嶋