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ゲキ×シネ「天號星」のmityのレビュー・感想・評価

ゲキ×シネ「天號星」(2024年製作の映画)
4.0
早乙女兄弟に山本千尋さんと、動ける人たちが出揃っているけれど、それでもここまで殺陣が多いとは思わなかったから、もうとっても楽しかった!早乙女兄弟は言わずもがな、山本千尋さんも素晴らしい動きで、もう魅せるシーンなんて釘付けだった。年齢や体力的に落ちてるとはいえ、古田新太さんの殺陣もあったし、満足度高く観終えることが出来た😊

気弱で温厚な藤壺屋の主人半兵衛と、金で動く殺し屋の宵闇銀次。全く異なるふたりが、何の因果か入れ替わってしまうんだから、天號星の災いというのは、厄介過ぎた。そしてその結果を全て自分で受け入れ修羅の道を選んだ半兵衛の愛情の深さというか···これを運命というには、半兵衛が哀しすぎたな。

入れ替わりものだけに、半兵衛になった後の銀次のなまくら刀は、ある意味貴重だったわ~。殺し屋銀次の一切の迷いのない太刀とは違い、へっぴり腰で刀を持つ銀次。身体に染み付いた殺しの動きについていかない心。その演じ分けは見事だった!その逆は当然。銀次になった後の半兵衛の、強面と風格を思う存分活かした感じは、格好良かったなぁ。ただの殺し屋が入れ替わることで得たのは、欲。その欲はまた別の敵を作り···入れ替わりがなくとも銀次の行き着く先は、結局同じだったように思えた。

真砂郎の「誰?」に笑わせてもらった朝吉の存在。確かに、本筋とは関係ないところで動いてたからなぁ(笑) でもこの朝吉が、銀次になった半兵衛に、刀を握る覚悟を落とし込んでいくんだから、半兵衛にとっては本当「俺が何をした」だと思う。銀次の過去が半兵衛に降りかかるなんてなぁ。

殺し屋稼業を営む者たちによる、戦って戦って戦いまくる物語。いのうえ歌舞伎、面白かった!


#1_2024
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