じぇいらふ

軽蔑 60周年4Kレストア版のじぇいらふのレビュー・感想・評価

軽蔑 60周年4Kレストア版(1963年製作の映画)
4.8
相変わらずよくわからない🤣ゴダールの新作短編『遺言/奇妙な戦争』と同時期に上映されたのは、、、ゴダール作品としては、ある意味分かりやす過ぎて異色作なメロドラマ『軽蔑』のデジタルリマスター版。1963年作品。好きな作品で久々に見ましたが、リマスターがとてもとても綺麗で美しい。。。内容はかなり病んでますが😅

🎞️タイトル〜映画の移動撮影~遠くからゆっくり手前に近づく 声のナレーションによるタイトルロール ラウール・クタールの覗くキャメラ🎥が正面を向くシネマスコープや!〜はじまり 

なんといっても妻カミュ役のブリジット・バルドー(以後BB)を見る映画。冒頭からBBの裸体にはじまり(これプロデューサーの意向で追加撮影されたとか、、、ゴダールでもそういうのあるのね)、カラフルな衣装、黒髪のウィッグ等等、いろんなBBが堪能できます。途中飛び飛びのジャンプカットがMVっぽくてCMやら、いろんなおしゃれ系アーティスト(ピチカートⅤとか)に多大な影響与えてるだろうと思われます

ドイツの映画監督の巨匠フリッツ・ラングが本人役で出ていて、シネマスコープサイズについて、「蛇と葬列に向いてる」
というセリフがありましたが、
BBの美しい裸体を撮るのにも向いてますよね多分。横たわるBBを撮るゴダール

キャストが凄い豪華な作品ですが、素晴らしいのは、ポール役のフランスのムッシュセクシー=ミシェル・ピコリ(まだ髪の毛あり)、、、ではなくヤバイアメリカ人プロデューサー、ジェリー役のジャック・パランスですな。試写会の彼の尊大過ぎる振る舞いがいいですよね。なんかゴダールのハリウッドに対する悪意ありまくりなキャラクター描写🤣

プロデューサーと映画監督が対立するバックステージモノってハリウッド作品でもありますけど、もうちょっとプロデューサー側も理解出来る位の現実感ありますよね。偏見すれすれなゴダールらしい極端なキャラ付けをしっかり演じるジャック・パランスが素晴らしいです
、、、彼の振るまいがBBのまさに夫への 軽蔑 に繋がる。それに対して無力なミシェル・ピコリも彼らしくて良いです

試写会の英語、ドイツ語、フランス語が飛び交いつつ通訳がイタリア人という混沌ぶり

ミシェル・ルグランの悲しげな名曲が、うるさいほど鳴りまくるのもなんかカオスです

ゼロプリント試写のシーンでの作品内映画『オデュッセイア』ってどう見てもフリッツ・ラング作品じゃないよね。原色バックとカリカチュアされた人物、、、バリバリゴダール作品ですよ。これはこれで見てみたい笑。

なんか気持ちが整理つかないウチに破滅に行くところが切ない傑作。異色だけど初期ゴダールの好きな作品です👍👍👍👍

BBの役って、多分アンナ・カリーナでも出来たと思うけど、スター女優ブリジット・バルドーがブッキング出来た一応大作ってことなのね。後年アンナ・カリーナ主演で同じ様な上手く行かなくなるすれ違い男女のメロドラマを、もっとトチ狂った形で実現したのが『気狂いピエロ』なんでしょうな🎥🎬🌊