じぇいらふ

ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争のじぇいらふのレビュー・感想・評価

4.7
ゴダールの遺言?

これがゴダール最後の作品らしいという触れ込みの新作短編。彼が亡くなった後に発表されたが、これが作りかけの作品なのを他人が完成させたのか?そのまま本人作品なのか不明。一応本人作品らしいのだが。作者死後の見つかった断片でとかの作品ですって発表するのたまにあるけど、こういうの本人の作品といっていいのかしらどうなのかしら?等等疑問を抱きつつも、、、やっぱりゴダールだし見てしまう。特別料金1000円で新作短編が死後劇場上映されるなんてゴダールくらいしかおらんだろう。。。して感想は、、、やっぱり相変わらず訳分からんけども笑、、、結局驚かされてしまった。死んでからのゴダール作品という世界

パンフレットの方が映画料金より高いですが当然買いますよね。分からな過ぎて買わざる得ない映画商法笑

本人が「私の最高傑作だ」と言ったとか言わないとか、、、相変わらずの人騒がせ野郎です笑

🎞️写真と手書きのメモ「『奇妙な戦争』の予告篇take1」?? 無音のまま 作品のビジュアルイメージでもある例の赤黒のぐちゃぐちゃ(これがタイトル?)猫がうんたら 2人のおそらく女優の写真、、、誰だっけ?、、、とずっと無音のまま続く~はじまり

⚠️ネタバレ進行です。ネタバレしてもしなくてもあんまし変わらないだろ!ってのがゴダール笑

もはや動画としての映画ではなくて、並べた写真と手書きコメントを一定時間無音のまま見させられるという、これ映画なのか??という疑問も湧く人いるかもですが、、、、まぎれもなく映画だし、ばりばりにゴダール作品であることに驚く

写真のならべ方からコメントの描き方からなにからどうみてもゴダールだ。音が特徴的な作家だったが、最後の作品が音が全然鳴らない~ということも、とってもゴダール的だと思った。もはやなんでもありだな笑。そして強固な作家性個性ですな、、、意味全然分からんのだけど音なしだと結構さすがに眠気が。。。と思っていたら、いきなり大音量で音楽が鳴り出して覚醒笑。ハイドンの驚愕交響曲か?!笑。この暴力的ぶっきらぼうさ、唐突さもゴダール的

写真の白地にCANONの文字が、、、これに適当に(適当ではないけれども)写真等等並べて上から撮ってるんかね?時々こすれたような傷とかもとのまま写している。ハンドメイド感。よく見ると順番に番号が端に振ってある。そういえば、結構ゴダール作品って章仕立て多いよね。これはもう本人のための整理番号っぽい。そのまんま感

時より入ってくるゴダール本人の声が、、、やっぱり年なんか病気なのか弱々しい。。。この辺が 遺言 とか付けられる所以か

白地に白字幕が見にくい笑

動画が全然ないと思った、唐突に動画がやってきた、、、あ、これ見たことあるけどなんだったっけ???、、、これ『アワーミュージック』の場面とのこと、一度しか見てない作品だからか完全に忘れていた。どうも写真の女性もこの女優さんらしい。最後の最後の作品でこの長編が出てくるという『アワーミュージック』見直さねばならなくなったではないか

そして色々戦争がどうたら、トロツキーがロシアが、、、とゴダールらしい関心事に触れて唐突に終わる

20分だし、もう一回見ないとわからんな。というか、多分配信されるから、何度も見ることになるだろう。20分ってYouTube動画の長さだよね。ゴダール最後の作品が映画館だけどYouTube動画みたいになったのは興味深い

・・・最後のゴダール作品なのに、アンナ・カリーナもミエヴィルも出ないんだなあ、、、とか思ったけど、、、つまりは死ぬつもりで作った作品じゃないから遺言じゃないのよね。そもそも。
ゴダールの作品は全部が予告編で出来てるような作家だって誰が言ったんだっけか?(浅田彰?)最後の作品が存在しない作品の予告編で終わったという

でももしかしたら、まだまだこんな作品がありました!って発掘されるかも。死後のゴダールというのも案外続くかもですな。やったらまたかよーと言いながら結局観てしまうだろう。それがゴダール死人商法だとわかってても。カリスマ作家とはそういうもん。そういう意味では、死んで永遠になった作家がまた一人🖼️📝