テレビと映画が友達

インサイド・ヘッド2のテレビと映画が友達のネタバレレビュー・内容・結末

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

気づいたら、泣いてた。感情達が自分らしさのシンボルを抱き合うシーンにやられた。自分らしさを形成し保持するために、どんな感情も、どんな経験も必要であることを教えてくれた。
ライリーが子供から大人へと成長する思春期に、高校進学をかけたホッケー合宿での出来事がメインストーリー。思春期ということで、基本的な感情(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)のみならず、複雑な感情(シンパイ、ハズカシ、イイナ、ダリィ)が登場する。
誰しもが蓋をしていた恥ずかしく思い出しくない繊細なエピソードが続々と登場してくる。エピソードのチョイスが絶妙で、ピクサー製作陣に勝手に親近感を感じた。陽気に見える海外の方でも、思春期の恥ずかしいエピソードはあるあるなんだと知れてなんだかホッとした。
ライリーが自分の将来を考えて保身に走り、旧友を切り捨てて、先輩達に合わせる行動を取るシーン。そこの葛藤をヨロコビとシンパイの口論で上手く表していて流石だと思っ
た。大人になるにつれ、自分の感情は抑えて、周りに合わせる感情が生じる。その根源にあるのがシンパイなのだろう。エピソードと感情の動きの解像度が絶妙過ぎて、驚嘆した。
リーダー格のヨロコビが珍しく弱音を吐くシーンは印象的だった。自分も分からないながらに前進しているヨロコビに対して、イカリのフォローが素敵だった。今までたくさん間違えてきたヨロコビを認めつつ、これからもそんなヨロコビについていくと宣言したイカリ。愛溢れるやり取りに思わず胸がキュンとした。
カナシミが単独で司令塔に乗り込むシーンも胸打たれた。前作ではヨロコビに煙たがられていたカナシミが、今作ではヨロコビの信頼を得て大役を果たそうとしていた。ヨロコビとカナシミという対極のキャラ同士の信頼関係を垣間見れて、ウルッときた。
まだライリーは高校入学。まだまだライリーの人生はこれから。高校編、大学編、会社編、結婚編、子育て編、老後編まだまだ拡張の余地はあり、今後も期待が膨らむ。
自分のインサイド・ヘッドはどうなっているのか、今度、暇な時考えてみようと思った。多分、カナシミとシンパイとダリィとハズカシのネガティヴキャラしか居なさそうだなぁ…もはやカナシミは幽波紋だろうし…