これを盛り上げてくれた都会の映画ファンの皆さまありがとう、やっと映画僻地にも届きましたので観られましたよ!
もうあれじゃない? 主役の高坂さんの天元突破する好感度だけでも観る価値ある映画なんじゃないこれ? 無骨で純朴で堅物で、謙虚で可愛らしくて一生懸命でさ。寺の住職ご夫婦と一緒に高坂さんの人柄に絆されて、高坂さんがんばれがんばれ、と応援して、笑って泣いて、すごい良い時間過ごせました。サムライが現代にタイムスリップって聞いたら「て、鉄のイノシシじゃあー!!」と実在したかどうかはわからないセリフが浮かぶくらい、実写漫画活字とこすり倒されてきたネタで……こんなに楽しめるなんてなあ……。現代とのギャップネタとしてのショートケーキに感激/動く絵ことテレビに驚愕のち感動して大号泣、のくだり、どっかで何度か見た気がしちゃうくらいベタなのに、それでも見ながらこっちも泣き笑いしちゃうのはもう、ひとえに、高坂さんを演じた主演の俳優さんの醸す佇まいが素ン晴らしかったから!
脇を固める人たちも、ド斜陽の時代劇業界で、でもこの業界を愛して踏ん張ってる真摯な善人揃い。よい。アツい。そしてその斜陽となった時代劇業界と、幕末を生きた侍である主人公、今(と言っても舞台設定はガラケー全盛期の頃だよね?)となっては時代遅れなモノたちの物語のリンクもお見事。
ちなみに終盤の展開は、現代に馴染んで生きていくことができている、とはいえ幕末の、しかも会津の……ここは東北の民として感情移入のレベルが違う……武士として、彼は何らかの形で自分がスキップしてしまった歴史にケリを付けねばいけなかったと思うので、私はアリでした。