ヒサオカケイコ

ラストマイルのヒサオカケイコのネタバレレビュー・内容・結末

ラストマイル(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

メモ

米津の主題歌があまりに良い。筧まりか目線で書きます?普通…最高だよ…

人を軽視したコストカット競争の末に起きてしまった事件が、人を大事にした結果コストカット競争に敗北した商品によって命が救われて終わるの、あまりにも美しすぎて感嘆。心を込めてまっすぐに作ったものに価値は宿って、いつか自分を救ってくれるものになる。無駄なことなんてひとつもない。

上層部だけじゃなくて末端の人たちの姿を生き生きと描いて、うつしてくれる映画ってあんまりないよね よかった

役者さんの芝居が全部素晴らしくて惚れ惚れしてしまった、爆発 薬指拾って「見上げた根性だな」って言う中堂と、半笑いでなんでもないように自分を傷つけながら話すひかりさん。

佐野運送親子が言っていたやっちゃんって山崎さんのお父さんだったりしない?ってコメント見てウォー!ってなった

ヤマサキさんが作品内で目覚めなかった事は起こった事がそう簡単に取り返しがつかないっていうアンナチュラルとMIUの作品から一貫した野木亜紀子の思想だな……

死んでも止まんなかった、生きてたから止めれた、です

『脅し』という言葉に対してエレナが言った『脅しじゃないです。それは立場が強いものが使うものです。弱いものからの場合は"交渉"で、正当な物です』が響いた

この2人が巻き込まれた爆発は2回あったけど、威力が比較的マシだったのはお守りのおかげ?

筧まりかはどうしようもなくなって復讐を遂げてしまった人。デイリーファストと自分、どちらが彼を追い詰めてしまったのかを悩んで結局どちらにも復讐をした、ってのが凄く辛い。

「山崎は恋人との関係に悩んでたと同僚が言ってた」って話しの同僚ってまさしく五十嵐じゃない?って思うし。山崎が飛び降りた直後にかけた電話も本部にかけてますよね?っていう。本部の指示に従ってデリファスが訴えられないように、山崎の飛び降りの原因を恋人のせいにみせかけたのが五十嵐で、だから過労死自殺の証拠になり得るコインロッカーの存在を知って必死に探しにきた、ということ?つまり最後の爆弾はコインロッカー????

だから最初のロッカーと最後に出てくるロッカーは別のものになっている→巧が隠したのでは???

病室で山崎が点滴に繋がれていたと思うんだけど、その点滴にはマッキーで「やまざきたすく」と書かれてしまっていて それを志摩がやまざきの濁点の部分を親指で隠して「やまさき」にしてあげるのがなんて優しいんだと思った 号泣です

五十嵐さんが走っていたランニングマシーンがどうしてもベルトコンベアーと重なって、なんだか示唆的だなと思った。なかなか止まらなくてちょっと焦ってた五十嵐さん、きっとかなりヤマサキタスクのことトラウマなんじゃないだろうか、忘れられる
訳がないだろうな、と思うし、その後マットに寝転んで首を倒した五十嵐の顔と血だらけのヤマサキタスクの顔が重なるシーン、冗談抜きで鳥肌が立った。五十嵐も山崎もそしてエレナも結局みんな同じレールの上にいるんだ、とエレナの台詞を思い出してガツンときた

ラスマイの話12っていう数字について。まりかは1ダース=「12」個の爆弾に、DAILY FASTの「12」か条すべてを否定したい思いを込めたのかな。
あと、「DAILY FAST」にたった1字「U」を追加するだけで、「FAUST=醜い」になるんだよな、、、グ、、、

「死んでも止めるなって山﨑が言ってただろ」って五十嵐の言葉は本心だったんだろう。五十嵐の中ではそれが山﨑の意に沿った、五十嵐の中で正しいことだった、けどってことか〜辛

一番最初にエレナがネットつけなくていいの?の伏線回収が華麗だった、「飛び降りる人を見て、自分は大丈夫だろうかと思ったことは?」と思ったことがある側じゃないとその必要性を感じないということ?

野木さんの脚本は、人を一面だけで描かず、必ず多面的に見せてくれるから、正解不正解だけで割り切れなくて深みが感じられる。
悪そうに見える人も良心的な一面があるし、良さそうな人も利己的な一面がある。
絶対に止めないと言って疑念を持たせる流れにあったエレナが最終的に止める決断をしたことも、常に冷血で会社の利益だけで判断する五十嵐も、心の底で山﨑を追い込んだことを自責しつつそれを見ないふりをすることで会社からの圧力の中何とか自分を保っていたり、エレナの相談に乗りつつ実は筧からの予告メールを利益のために見て見ぬふりをした本社の上司など。

『贖う』の意味が『罪のつぐないをする』ともうひとつ『買い求める』だったことに震えた 

他人事と言ってたエレナに爆弾が偶然届いたのもちゃんと伏線回収されてた

岡田くん「この仕事を何年もやらせてもらっている原動力って何なんだろう?って考えると、どこか怒りに通じているんですね。何かにちょっと怒っていて、それは社会に対してかもしれないし、自分の演技に対して辛辣な声をもらうときも、もちろんあるので、「次こそは、次こそは」という怒りなのかもしれない。そういう感情で「僕は成り立っていたんだな」ということに気づきました。」

本作では自身の退路を断った。撮影期間中には公私ともに他の予定を入れず、かつ「次の出演作が決まっていない」状況に追い込んだという。

「次の作品が決まっていると、顔に安心感が出てしまうかもしれない。この作品で最後かもしれないのにこんなにうまくいかない私という、ガタガタの階段をヒールで上るような環境を作っていました。また、マクロで考える人を理解できるように、常にマルチタスクを課していました。たとえば、他の方と芝居をしていても違うことを考えるようにしたり、カメラに映らないところで足の小指だけずっと動かしていたり──。一つのことに没頭・集中しないように意図的に頭の中に余白を作って、常に“逃がす”ようにしていましたね」

ロッカーはやまさきさんがああなった理由は恋人の筧さんではなく「社に責任がある」と示すものなわけで、それを慌てて探しに来るぞと言っているとしたら、あの「訴えません」とした署名はやまさきさんの手によるものではなく五十嵐さんが書いた偽造サインで、今回の事件は間違いなくこれで事件解決ですでは終わらず追捜査が入るだろうから、そうなった場合にサインの偽造、ロッカーの証拠と出てきた時、会社が罪に問われる可能性、つまり五十嵐さんの失脚に繋がるのでは。

山崎の人事情報、よく見ると「休みが多い」とのこと。いくつもあっただろうスイッチの1つ。五十嵐はそれを見過ごしたのか、見ないふりをしたのか。

山崎の件は事故か自殺かはっきりしないってことだったけど、飛ぶ時に横でガン見してた警備員の女性いたよね、、?揉み消したってこと?

エレナの「一番欲しかった答えはロッカーの中にあった」は「彼女の一番欲しかった答えはロッカーの中にあった」

洗濯機が爆弾で壊れて「部品が無いからもう使えない」っていうのは、人間だって本当は置き換えなんて出来ないって事を言いたかったのかね。そうでもなきゃ爆発直後の第一声が「まだ使える?」は違和感が過ぎる。