フクロウ

トラペジウムのフクロウのレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
3.7
94分しかないから仕方ないが、まず展開が早すぎる。千葉の田舎の東西南北所在の高校から一人づつを集めてアイドルチームを作る、という東ゆうの裏の計画と、そんなことは梅雨知らず友達になっていく大河くるみ、華鳥蘭子、亀井美嘉。ボランティアを「利用」し、3年目の崖っぷちプロデューサーに便乗する形で、トントン拍子で四人組アイドルユニット「東西南北」でデビューするが、まず(もともと悩んでいた)くるみが発狂し、そして蘭子と美嘉も芸能プロダクションと契約解除する。最後は一人残されたゆうも解除する。結局、「東西南北」は解散となるが、ゆうたち四人はあの丘の上に集まり、完成しなかったオリジナルソングを完成させ、美嘉の愛の大切さの話、くるみの二度とアイドル活動したくないという話、蘭子のボランティアとアイドルの経験から人を助ける仕事を将来の仕事にするという話。総じて、ゆうが三人を見つけたこと、友達になったこと自体はよかったという話で幕を閉じる。そして10年後、工藤真司の写真アトリエで、夢を叶えた四人が再会する。/アイドル産業が自然な人間関係を歪めていくさまが描写されており、アイドル産業はなくした方がいいのではと思った。ゆうがアイドルを目指す理由もイマイチわからず、全くカタルシスがない。さらに、文化祭の写真部の女装はあまりに時代錯誤が甚だしいものであり噴飯物であったし、また城の案内ボランティアのお爺さん二人を女性にやらせる意味がよくわからずあまりに身内向けだと感じた。これなら性格悪い女がありのままブチ切れてる2024年春期の『ガルクラ』の方が数段いい。
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