松山洋

トラペジウムの松山洋のレビュー・感想・評価

トラペジウム(2024年製作の映画)
5.0
「初めてアイドルを見た時に思ったの、人間って光るんだって」

もうね、この主人公のセリフに全てが詰め込まれてる。

そりゃ魅了されるって、他の3人を利用してでも夢を叶えたいって盲信するって、だってなりたいんだから、アイドルに。

そう決めた人間を前にしたらきっと誰にも止められないし理解もされないし、周りとはズレるって、熱量がまるで違うんだから。

それでいい、それが正しい、そう言ってあげたい気持ちでずっと観てました。

恐らくは作中的にも視聴者的にも主人公は異常に見えて共感されないんだろうから。

「私はアイドルになりたいんじゃなくて、なる」

もうそのメッセージだけで十分この作品を推せますね。

多少作画が崩れようと、CGがイマイチでも、物語構成が微妙にちぐはぐだったりしても、なんにも損なわれない、全部許容する。

タイトルにトラペジウム(不等辺四角形)って名付けてることすら素敵に見えましたよ。

私はこの作品が大好きで愛おしい。
松山洋

松山洋