Jun潤

ブリックレイヤーのJun潤のレビュー・感想・評価

ブリックレイヤー(2023年製作の映画)
3.6
2024.03.31

予告を見て気になった作品。
必殺・ライブ遠征中に映画館in札幌。

ギリシャで一人の女性記者を殺された。
殺した男はヴィクター・ラデックといい、CIAの元エージェントで、過去に死んだはずだったが、とある目的から、ヨーロッパの反米運動を活発化させ、CIAが世界の敵であるという風潮を仕組もうとしていた。
事態を重く見たCIA本部は、新人エージェントのケイトと、元エージェントでラデックのことをよく知るヴェイルを組ませ、事態の解決を図る。
レンガ職人として穏やかに暮らしていたヴェイルだったが、彼の元にラデックの刺客が強襲したことで、依頼を受けることとなる。
そして、ヴェイルとラデックの間にある深い因縁が再び動き出す。

これはまたアメリカ産のスパイアクションの王道をよく捉えている作品でしたね。
ガンアクションにカースタント、入り乱れる陰謀と策略、その中で問われる一人ひとりの職業倫理と価値観。
今作ではその揺れ動きがよく描かれていたことと、ヴェイルが単なるCIAの元エージェントとしてのスキルを発揮するだけでなく、レンガ職人という建造物を作る職業であるはずなのに建物から何から何までぶっ壊していく様が一種のカタルシスを発揮していました。

CIA、というかアメリカ政府全般に対して、アメリカ国民じゃないからどの程度事実に即しているかは分かりませんが、作品だけ観るときな臭さを拭いきることができず、誰が正義で誰が悪なのか、正義はどこかにあるのか、ということを常に問いかけてくる作品。
とか言っちゃうけどなんやかんやド派手にドンパチやってるだけで作品として成立してしまうのだから、アメリカが積み上げてきた映画の歴史というのも恐ろしいものです。
Jun潤

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