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Civil War(原題)のmplaceのレビュー・感想・評価

Civil War(原題)(2024年製作の映画)
4.0
誰が何故、いつどのようにしてこの市民戦争を始めたのか明確な理由が説明されないまま物語が進むのだが、これはアメリカに限らず他の国でも起こり得る話でもあると思うので、あえて理由を明示しないことで世の中に起こっているあらゆる戦争の火種について各人が考えを巡らせ、想像を馳せる余地を与えているように思う。

こう言っては語弊があるが、そもそも理由なんて実はどうでも良いとも思う。戦地というのはどこも悲惨なものである。そしてその悲惨さ、人間の残忍さに勇気を持って立ち向かい、悲劇の瞬間を記録する使命を全うしようとするジャーナリストの物語にすることで、ある種抑制の効いたトーンでまとめられており典型的な戦争映画とは少し異なる角度から戦争を描いていたように思う。しかし戦争の恐怖は迫力ある音響とリアリティのある映像と共に嫌というほど見せつけられる。
音楽の挟み方も、そうくるかという感じで意外性もあり。
サウンドトラックはガーランド映画ではお馴染みのGeoff Barrow(ポーティスヘッド)とBen Salisburyで、良い感じに尖りと歪みがあったのも良い。

ベルリンでのプレミア上映にて鑑賞。ちなみにこの日はガーランド監督も登壇して観客からのQ&Aにも答えるという贅沢な時間でしたが、一つ一つの質問にオープンに答えていたのが非常に好印象でした。
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