Violet

シビル・ウォー アメリカ最後の日のVioletのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカ国内で内戦が始まった。
米ドルは暴落し、300ドルで買えるのはサンドイッチくらい。そんな架空のアメリカが舞台。

マリウポリのドキュメンタリーでも思ったけれど、ジャーナリストは眠れない。そして、驚くほどに現場に密着して撮影している。

『憐れみの3章』でも記憶に新しいジェシー・プレモンスのシーンがとにかく怖かった。。香港出身だったトニーとバハイはあっけなく銃殺されてしまう。自分の認めるアメリカ人以外は殺してしまう。まさにファシズム。ここから明らかに映画のトーンが緊迫したものに変わる。ちょっと前のシーンまではみんなでドライブ?して楽しそうだったこらこそ辛い。何も悪いことはしていないのに。

ジェシーがリーに「わたしが死ぬ瞬間も撮る?」と聞いていたけれど、結末はその逆となった。リーが倒れた瞬間、ジェシーはやはりカメラを構えた。
ジェシーはリーの意志を継いだ後継者なのだろう。

この物語では、現実では国内で分断している共和党と民主党が共通の敵《ファシストの大統領》を倒すために手を組む。共通の敵が現れない限り手を取ることは難しいということでもあるのか、とか、結局血が流れてしまうのかと思うと絶望するけれど。
アメリカに限らずひとつの国が一丸となるときの力というものは凄まじいものであるはずだ。日本で言えば、戦後の復興のように。絶望の淵に立つ前に、国が力を合わせることができたら、人と人が殺し合うようなことがなくなれば、それ以上のことはない。

◾️あらすじ
19の州が離脱したアメリカ合衆国。
この国の大統領と戦うため、テキサス州とカリフォルニア州が手を組み“Western Forced (WF)"という連合を結成。
かくしてアメリカ合衆国内で内戦が勃発した。

◾️この映画の大統領
⚫︎ 大統領の任期3期目に突入。
→そもそも米国大統領の任期は2期まで(最長8年)。
ちなみに、2020年の大統領選で当時のトランプ大統領は再選すれば3期目を目指すことを表明した。
⚫︎ FBIを廃止。
→FBIは大統領の犯罪を捜査できる存在なので、ファシスト大統領にとっては脅威であり邪魔な存在。
ちなみにトランプ大統領は大統領に就任した2017年に当時のFBI長官を任期途中で解任。さらに、2024年には大統領選に勝利すればFBIの権限と規模を縮小することを検討していることが報じられた。。
この映画の大統領は、明確にトランプのことを表現しているわけではないけど、かなり近しいところがある。

◾️WF
そして今回手を組んだのがテキサス州とカリフォルニア州だが、伝統的にテキサスは共和党、カリフォルニアは民主党の州。(トランプを支持するイーロン・マスクのX社はカリフォルニアからテキサスに移転)
そんな交わらないふたつの州が共通の敵を倒すために、自分たちの国を取り戻すために、共に戦う。

https://virtualgorillaplus.com/movie/civil-war-finale-explained/#3FBI
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