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セカンドステップ 僕らの人生第2章のalmosteverydayのレビュー・感想・評価

3.5
信仰についてわたしの解像度が低いばっかりに読み解けなかった部分も多々あると思うので悪し様には言えないけれど、年下の女からの距離の詰めかたも年上の女への思慕もなんだかえらい唐突ですね…?ってだいぶびっくり。墓地に停めた車の中で、安息日の夕食で、突如としてカメラワークががらりと変わり物語が動き出す瞬間がとてもスリリングでした。絶対に何か(それも良くないほうの)が起こる磁場をじわじわ醸成する雰囲気、すごかったですよね。夕食のほう。

登場する女性たちは老いも若きもチャーミングだったり誇り高かったり酔いどれだったりそれぞれに魅力的ないい女ばかりで観ていて気持ちよかったです。自分にとって目標となるいい女像をより強固にしたいわ〜なんて励まされるような気持ちになってしまった。

主人公はその境遇からして気の毒ではあるのだけれど、それを最大限に慮ってもあちこちもろもろ不安定ってか終始不安げで観ていてちょっともどかしくて、しかしまたそこらへんまでひっくるめてやっぱり仕方ないんだろうなと思わされてしまう細やかな描写が印象に残りました。「今日は雪は降らないぞ?」と言われても融雪剤を撒き続ける理由が特に明かされないまま腑に落ちた瞬間、発作みたいな嗚咽が出そうになってしまった。大事な存在を突然何の前触れもなく失ったことのあるひとには苦しくも切ない描きかただと思います。
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