almosteverydayさんの映画レビュー・感想・評価

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Here(2023年製作の映画)

3.5

このフライヤーの伏し目がちな眼差しと豊かな緑に惹かれ足を運んだのですが、とりあえず冒頭から長回しに次ぐ長回しでびっくりしました。終映後、とてもくつろいだ時間を長く過ごしたような充足感があったのだけれど>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.0

年齢だけならとっくに立派な大人なのにあちこち抜けてて危なっかしくて金はないけどなんだかんだで毎日楽しい、という状況は明らかに身に覚えがあって、これがよくありがちな感じに凹んだりふてくされたり激昂したり>>続きを読む

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

3.5

公開初日がファーストデイかつ金曜日だなんて嬉しい〜!この辺りでは1週間しか上映されないとあって、雨の中いそいそ馳せ参じました。分かっちゃいたけどめちゃエネルギッシュ、ポマードとドーランを鎧よろしく塗り>>続きを読む

オスカー・ピーターソン/オスカー・ピーターソン:ジャズ界の革命児(2020年製作の映画)

3.5

予告編の時点で最高に楽しげで、なおかつ自身の作曲による公民権運動との関わりを現代のBLMへと連ねる社会的側面も見ておきたく、公開を心待ちにしておりました。平日の午後にしてはなかなかの客入り、全64席の>>続きを読む

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

3.0

ちょうど一年ほど前に観た「NOVENBER/ノベンバー」が強く印象に残っていて、日本での配給がごく少ないエストニア映画をもっと知りたく劇場へと足を運びました。結果、想像とはだいぶ勝手が違っててびっくり>>続きを読む

ミツバチと私(2023年製作の映画)

3.5

予告編だけで主演のこの子の眼差しに心を射抜かれてしまい、もっといろんな表情が見たくなって劇場へと足を運びました。説明的な台詞や演出は皆無、主人公とその周囲の目線でもって束の間の夏のバカンスを見つめてい>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

カウリスマキに関しては「レニングラード・カウボーイズを撮った監督」というきわめて曖昧な知識しかないのに、予告編が実に味わい深かったため俄然興味がわいてきました。序盤も序盤、だいぶ唐突にデカめの音でご機>>続きを読む

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

4.0

どぎついネオンカラーのフライヤーがやけに印象的だし予告編もおもしろそう、というわけでホラーや流血を大の苦手としているにもかかわらずおそるおそる観に行きました。結果、大正解。おもしろーい!それに、まさか>>続きを読む

ドリー・ベルを覚えているかい?(1981年製作の映画)

3.5

クストリッツァ幻のデビュー作が日本初公開とのことで心待ちにしておりました。あっちもこっちもとっ散らかってて喧嘩っ早くて謎の大らかさがある、動物たちと音楽に囲まれた世界は既にこの頃から確立されていたので>>続きを読む

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.0

ビビッドな黄色が印象的なフライヤーに目を奪われ「これはひょっとして、みんな大好きブリグズビー・ベアの元ネタだったりするのかしら…?」という淡い期待を抱きつついそいそチケット予約したんですが、とてもじゃ>>続きを読む

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

3.5

ワンダ以来ことごとく刺さる映画を配給しているクレプスキュールフィルムさんの第4作とあって、公開がアナウンスされた時点で観に行くものと心に決めておりました。だって間違いないんですもの。

舞台は大戦後の
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パトリシア・ハイスミスに恋して(2022年製作の映画)

3.5

少し前にみた予告編で「私が小説を書くのは生きられない人生の代わり、許されない人生の代わり」との一文に胸をえぐられ名前をぐぐってみたところ、公開当時いろいろあって見逃したままだった「キャロル」の著者じゃ>>続きを読む

almost people(2023年製作の映画)

3.5

誰ひとりこちらを向いていないキービジュアルの奇妙な静けさと不穏さが気になって劇場へ足を運びました。例によって事前情報をほぼ断ったまま赴いたのですけど、これってオムニバス作品だったんですね。へええ!>>続きを読む

アアルト(2020年製作の映画)

3.5

劇場にてちょいちょい見かける予告編やフライヤーがみんな大好き北欧デザインのすっきり整った美と静けさに満ちてたもんで、ずいぶん前から秋の訪れを心待ちにしておりました。で、いざ観てみたら想像したものとは少>>続きを読む

シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

3.5

私的20年ベストムービーのひとつ、ブックスマートにてヤリマンと噂されるクラスメイトことトリプルAに扮したモリー・ゴードンが共同脚本・監督・出演の三刀流に挑むとあってめちゃくちゃ楽しみにしてました。すっ>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

4.0

最高傑作との呼び声高いTARの予告編を目にするたび「わたしが観たいのは最高にクールで愉快でブッ飛んでるスパークスのMVのブランシェット様なのにいいいい!」と臍を噛んでおりましたゆえ、ドンピシャそっちへ>>続きを読む

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(2011年製作の映画)

3.5

BSプレミアムで視聴。22年めのこの日を選んでオンエアするのは局としての気概?それとも報道態勢のあり方にまつわる戒め?

いろいろあって公開当時に見逃してしまった作品たちのひとつ、10年以上の歳月を経
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.5

露出と明度をバキバキに上げた書割みたいな真夏の砂漠と入れ子になったモノクロパートがものすごく雄弁に立ち上ってくる様は宇宙科学の賜物?あるいは何らかの魔法?ふつうに考えればカラー映像のほうが圧倒的な情報>>続きを読む

落下の王国(2006年製作の映画)

4.0

先月録画しておいたBS松竹ノーカット版、ようやっと観られました。並の映画なら1本に1シーンあるかどうかの圧倒的ショットが惜しげもなく繰り出され続けるとんでもない118分、何という至福のひととき…!
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サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.5

セリーヌ・シアマ監督作「燃ゆる女の肖像」「秘密の森の、その向こう」を手がけたクレール・マトンが撮影監督を務めておられるとのことで、上映期間ぎりぎりのすべりこみでやっと観に行けました。

法廷ものに疎く
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大いなる自由(2021年製作の映画)

3.5

60年代→40年代→50年代と3つの時点を行き来しながら限られた登場人物たちの繋がりを静かに、時に抉るように追っていく構成はやや起伏に乏しく淡々としているだけに、ここぞの場面でのギアの入り方が強く印象>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

誕生月クーポンが有効期限を迎える前にすべりこみ(かもしれない)タイミングでようやく観に行けました。何はともあれ、カンヌまわりの一部報道を除き事前情報をあらかた断ったままこの日を迎えることができてよかっ>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

4.0

もうね、何しろ素材が最高ですもんね。どこをどう切って貼って繋ごうがいかなる味つけを施そうが勝利の喜びと誇りが損なわれることはありませんものね。というわけで、ドーンと構えて全編ひたすらじっと見つめてもう>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.0

父娘もの、割と好きでよく観るんですけどこれはなかなかの変化球だなーという印象。陽光きらめくリゾート地での大切な思い出、みたいなもんを想像してたらだいぶ痛い目に遭いました。

そもそもの話、記憶の発端と
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.5

これまでワンダ、ノベンバーと素晴らしく刺さる作品を選んでこられたクレプスキュールフィルムさんの配給ならもう間違いないわ行く行く〜!とばかり上映を心待ちにしておりました。すべての情報をスクリーンから直に>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.5

厚ぼったいセーターとレギンスで身体の線をすっぽり覆った女子大学生がゴージャスなマダムとの交流を経て春の訪れとともに蝶へと羽化するみたいなお話でした。登場するアダルトグッズはどれもこれもあられもなく猥雑>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

3.5

アムールの国の小さなロードムービーかと思いきや、想像以上にストロング&チャーミングなマダムの粋な小話でした。パリの街並みを知るひとが観ればきっともっと楽しいだろうけど、エッフェル塔と凱旋門以外ほぼ何も>>続きを読む

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.5

フライヤーの淡く眩しい色調に惹かれて足を運んだのですが、見渡すかぎり真っ当にクリーンな人がほぼ出てこないグチャドロの下世話な話でした。工業地帯の砂埃まで運んで来そうにざらついた質感の映像と、暴力的なほ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.0

昨秋公開の映画がいまだに一日3回上映されてんのマジすっごいな、さぞかし血湧き肉躍るんだろうな〜ってことでわくわくしながら観てきました。序盤からテンポよくたたみかけてくる展開のアゲっぷり、有無を言わさぬ>>続きを読む

サイドマン:スターを輝かせた男たち(2016年製作の映画)

3.5

公開当時、地元では上映されず(今でもちょっと根に持ってる)Filmarksのクリップに長らく留まり続けていたドキュメンタリー。月末で全サービスの終了がアナウンスされているGYAO!にて今日まで無料公開>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

例によって事前情報を極力頭に入れないままで臨んだところ「これが『最先端のカオス』か〜」と大いに困惑しつつも最終的には滂沱の涙を流す羽目になりました。マンガみたいに明快なのにおそろしく難解。ずいぶん変な>>続きを読む

ギルバート・グレイプ(1993年製作の映画)

3.5

BSプレミアムで四半世紀ぶりくらいに観ました。
まだ幼いけど紛れもなくレオ様だし、まだスパロウでもウォンカでもないけどエドワードは経たあとのジョニデと思うとすごくふしぎな感じがします。トランペット吹き
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.5

台詞でストーリーを先導する作風ではないため観た人の数だけ解釈が分かれそうではあるし、舞台が約40年前のイギリスという点を鑑みても突っ込みどころがないとは言えないけれど、終映後はもろもろひっくるめてじん>>続きを読む

レナードの朝(1990年製作の映画)

4.0

たまたま点けたBSであっという間に惹き込まれました。主要キャストはもちろん、周囲を取り巻く人たちとの関係をも丁寧に描く演出がとても良かったです。音楽の使いかたも巧みで、物語の展開を先導するような劇伴と>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

インドの子どもを追う映画は概ね名作*1という経験則に従い、一切の事前情報を絶って臨みました。名だたる名匠・名優たちへの畏敬の念に溢れてたってか、終盤ほとんどラブレターみたいだった。

主人公視点で見る
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大恋愛(1969年製作の映画)

4.0

若い女に惑わされる既婚者が狼狽えたりやらかしたりする可笑しみや情けなさだけじゃなく「俺が振った」はずの女たちがさめざめ泣いたりなんかせず、笑顔でしれっとよろしくやってるのが最高でした。制服姿で煙草スッ>>続きを読む

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