たかちゃん

RHEINGOLD ラインゴールドのたかちゃんのレビュー・感想・評価

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)
4.7
ファティ・アキンは音楽ドキュメンタリーでもわかるが、音楽、民族への造詣が深い。本作は音楽と民族(主人公はクルド人)に加えて、暴力、ギャング映画の面白さが力強さを与えている。まるでスコセッシ作品のようだ。しかも、液体ドラッグや警備員の仕事を得るエピソードは、もうコメディではないか。警備員をぶちのめして、俺のほうが強いのだから雇え、なんて、警備員ではなく、用心棒だろう。そしてやられたらやり返せ、と喧嘩修行に汗を流す。こういう努力ができるのなら、そのエネルギーを正しいことに使えよ。刑務所で音楽レーベルを立ち上げたり、ともかく先が読めない驚きと興奮の140分。ラストの水中の黄金は、主人公の心の象徴か。
画面サイズが、シネスコ、ヴィスタ、スタンダードと自由自在、それが気づかないうちに変わっている。『ブルックリンでオペラを』も画面が自在に変化していたが、最近の流行りなのか、偶然か。
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