春九千

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト デジタルリマスター版の春九千のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ただひたすらに強烈、ハーヴェイ・カイテルの怪演ここにあり

ここまで凄いとは思わず、もっと彼の作品が見たくなる
彼ならジョーカーだって任せれる、そう思えるほど

とくにカイテル流の苦しみの表現、まじでこっちまで胃が痛くなる
どうにもならない怒り、苦しみ、悲しみのこもったうめき声
本当にヤバいことやらかしたり、悲しい事あるとこうなる

内容はというとこっちも強烈、のっけから全部出してくる
そこらの悪い警官ものと思ってカップルで見ると火傷する

とことん悪い事しまくる、けど一線は超えないプライドはある
にしても賭けのシーンは自分まで脂汗かくレベルで心拍数があがる…もちろん悪い意味で

瞬発的に銃をぶっ放したり、ラジオを撃ってパトランプ着けて暴走して泣くあのエネルギーの凄さよ

膨らむ賭け金に圧倒的な悪い流れ、話題にするのも俗な話だが、水原さんが英語の勉強でこれ見てたら……なんて

時が進みラストに近づくほど増す胸のムカムカと気の毒さ
吐き気を催す程に高まったその時見えたジーザス

手に抱えた3万ドルと見えてきた5万ドル、あとはドジャースが勝つだけ、これがジーザスの示した救いか

と、思いきやそんな甘い話はない、ドジャースは負けた
でもだんだんと気持ち悪さは落ち着き終わったのだという安堵感すらある、今度はそれがバス停でマックスに

少年らを正し、全てを終わらせることがまさに神の救いだった

「14歳から慣れっこ」なんて言ってたから小さい頃から環境が悪かったのか、とにかく一人の男の破滅は終わった

まざまざと人の嫌なものを見せつけられたが、なぜか最後には少しモヤモヤが晴れる過激な一本だった

何度も言うようだが、ハーヴェイ・カイテルまじですごい
春九千

春九千