BATI

プレゼンス 存在のBATIのネタバレレビュー・内容・結末

プレゼンス 存在(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ソダーバーグがギャスパー・ノエみたいなコンセプトの映画撮ったなぁと思ったけど、観終わってみるとチェーンリアクションの話なのでやっぱりソダーバーグの映画だった。小規模な「トラフィック」というか。性別を問わず家長というかワンマンパワーで決められていくことの危うさを描いているんだよな。功利主義とトロフィーというものが見えなくさせていくものは本人以外のところなのだ。だから直接劇中には出てきていないけどあのクソな男の子(「ANORA」に続いてハイパークソ息子が出てきた!今年はクソ息子イヤーなのかもしれない)の父親というのも子供と向き合っていない人間なような気がする。

今までののPOVの中でもかなり酔いそうになったけど最初の10分でなんとか慣れた。クロエがゴースト(?)の存在に気づく目線がなかったら酔ったかもしれない。しかしどうやっているんだろうと思うシーンばかりで、勿論CGなんだろうけど、最後の演出に一瞬寒気が走ったがそれを越える撮影の凄さでテクニカルな方向に気がいってしまった。まあテックな映画だからしょうがない。

つまんなくはないけど、好みと言うわけでもなくやっぱり小品の部類だとは思う。にしてはトリッキーな撮り方なのでソダーバーグの中でもかなり変わり種ですね。
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