Okanori

私は今も、密かに煙草を吸っているのOkanoriのレビュー・感想・評価

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1995年、内戦が激しかった頃のアルジェリアが舞台
イスラム文化のことはまだまだ知らない事も理解しきれない事も沢山あるけど、「時の権力者によって、何が是とされ何が罪とされるかを書き換えられる」という状況に関しては今の日本も身に迫る危機として感じられると思う

イスラーム映画祭に行くたびに、あまりにも自分が他の国の文化や歴史を知らないのであらゆるシーンでショックを受けてしまう。アルジェリアの事とか首都名くらいしか本当に知らなかった。映画からでもきっかけを持つだけで手繰り寄せられる情報が違うと思うので、毎年行く理由のひとつ。

演劇として上演されたものを改めて映画化したという事もあって、演劇っぽい集団の動きもある種効果になっていて面白かった。

布が果たす役割が多種多様であり、持つ意味がとても大きいモチーフだったのも印象的だった

それぞれの立場の違いで断絶もしているのに、ある秘密を守るために団結もできる人間の柔軟さを私は信じたい……。

イスラム圏の作品を観ていると、女性の自由が制限どころか侵害されて人生を脅かされる様子を見る事が多くて毎度つらい。(そしてそのような状況はイスラム圏だけでなくどの国、文化圏でもあるはず)ただ異文化として切り離さずに知り続けたい。それも理由のひとつ。
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