オーメン０(ゼロ)ともいうべき悪魔の子ダミアン出生の前日譚。いつの時代になろうとも「獣の数字」666は厨二心を掻き立てる。
『オーメン』は古典過ぎて若い世代は1stとか観たこと無い人多いかもしれないけど、本作はリチャード•ドナー版正統系譜の当時のおどろおどろしい雰囲気を継承していて◎(古臭い等と言ってはいけない)。
ジャンプスケアに頼らず(無い訳ではない)、重々しい恐怖を積み上げていく「怖い」ではない「恐ろしい」がオーメンの真骨頂。「経済」「政治」「宗教」力集まるところにダミアン有り。混迷極まる暗黒の時代と闇の御子の到来を感じさせる。しかし本作においてダミアン誕生以上に胸をざわつかせるのは宗教という権威を絶対視する人間の狂気であろう。現実社会で大スキャンダルとして取り立たされたバチカンにおける聖職者による児童性虐待問題が頭をよぎるのも製作者の意図するところか。
続編を匂わせるダミアンの天敵になりえる存在の誕生にワクワクそしてその活躍に期待。次作早よ！
追記
無宗教の日本ならまだしも良くこれがキリスト教圏で上映できたなぁと。教会権威の失墜、新たな恐怖の創出、反(アンチ)クライスト計画とはカトリックから抗議運動が持ちあがりそう。
