金さえ積めば殺人だろうが麻薬だろうがクローンを身代わりに無罪放免ディストピア。エッじゃあ地元貧民が過失致死起こしたら問答無用で死刑なの?富裕層相手の外貨稼ぎと信じたいが、資本主義の歪みと人間の傲慢に彩られた狂気を極限まで追求した鬼才ブランドン•クローネンバーグの新作ホラー。
設定的にはSFホラーな筈なんだけど、共和国風独裁腐敗国家なリゾート舞台•旧態依然な拘置所(警察署?)•クローン生成装置のアナログ感が殆どそれを感じさせない。むしろそれが人の闇を際立たせるのは計算というより監督の色か。サイケな色彩とトランス感溢れる狂騒描写も色々ヤバくて脳が溶けそう♩
クローンへの断罪の押し付けは最早それ自体が目的となり自傷行為にも似た悦楽へと主人公を誘う。倫理を超えた先にあるモノは?
オリジナルとコピーの差がゼロになった時、その存在価値に優劣はあるのか。人間は電気信号で動く容れ物に過ぎないのか。
雨に佇む男。
彼は本物の彼なのか。
答えは出ない。
追記
ミア•ゴスヤバい。
主人公を追い詰める煽り誹りは彼女の本質と見誤らんばかり。こえー。