ボギーパパ

オーメン:ザ・ファーストのボギーパパのレビュー・感想・評価

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)
3.9
劇場2024-30 熊P

1976年制作、あの『OMEN』の前日譚。

あのオーメン、、、6月6日6時、、、
悪魔の子ダミアン、、、
ガラスがザーーーッて来て首がコロコローーーっ、、、
十字架?がボーーンってなってグサーーーーっ
くらいしか覚えていない。何せ48年も前の作品だもの。でも当時はTVで相当量のCMが投下されており、話題沸騰!
学校できゃーきゃー言ってたよなぁ、、、6/6生まれの奴なんか弄られまくってたよなぁ、、、

その後もシリーズが何作か出来ていたはずだが、2までは見た覚えがあるものの、嗚呼やっぱり2は1を越えないなぁってなってその後は観ていない(はず)

このくらいのレベルで鑑賞したわけだが、結論から言うと大変面白い!

かなりしっかりと作り込んでいる作品とお見受けした。

冒頭から完全オマージュ!
所々にオリジナルオマージュをこれでもかと編み込んであり、往年のファンの記憶を呼び起こす。ファンサービスが徹底されている。
ガラスでくるかと思ったら棒がぽーーーんでアレっ?で思ったらやっぱり、、、だったり

ピョーンだけじゃなく火まで付けたりで、
いやいや刺激するところが、かなりいい線いってるではないか。

絵作りが丁寧と言うか、ホラーマニアのツボを的確に押してくる。画面の中に何かしらの悪魔的な雰囲気を醸し出す「何か」を入れ込んでいる。
そのものズバリの安っぽい作りの「悪魔」パートも何点かあったが、燭台に乗せたローソクの滴り落ちている様子を悪魔の口の様に映り込ませたり、その口の中にマーガレットが飲み込まれている様に写し込んだり、技法としては絵画を多用し雰囲気を出したりと、手数も多く、それぞれがいちいち見ている側を刺激してくる。

音楽もまぁ古典的といっても過言ではないが、しっかりホラー味を醸し、ムードを盛り上げている。オーメンと言えばコーラス!このコーラスが怖いのなんの、、、

全体的にそんなに予算はかけていない様だが、クラシカルな色調・音調による総合的なホラー芸術というか、ファンサービスの徹底!こういうの好きです。

また舞台設定だが、前日譚だから当たり前と言えば当たり前だが、1971年のローマとしているところも注目に値する。元作でグレゴリー・ペックは米国・駐ローマ大使であったことも関連してくるし、若者の教会、キリスト教離れという風潮があったのも事実らしいし
、これを軸に展開する今作のストーリーは、なるほど教会原理主義過激派による勢力回復の為の起死回生策が主軸。
この時代性とマッチしているので驚き!
まぁ、陰謀としてはすごく酷い策略、、、
キリスト教、教会においては性加害事件なども多くあった様だが、この陰謀はまぁ一種のメタファーとしても考えることができるかな。

正直、あまり期待していなかったのですが、
クラシカルで、ファンサービスが旺盛で、丁寧な絵作りで、すっげぇ陰謀で、としっかり楽しめました。

主演のネル・タイガー・フリーさん、どことなく川口春奈さんによく似ていて可愛らしい方でしたが、こんな役どころやらされて、、、痛そうだったし、可哀想でありましたが、なかなかの俳優さんでした。

ラストはここから起点で、ダミアン以外の方向へ進めることもできそうですね。期待しています。
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