トモヤング

ザ・タワーのトモヤングのレビュー・感想・評価

ザ・タワー(2022年製作の映画)
3.7
どことなく鬼才“ヴィンチェンゾ・ナタリ”監督作の『NOTHING』を思わせる奇抜で奇想天外なストーリーながら…とんでもねぇ!エグい!エグいにも程がある!ってな作品で見応えアリでございました♪

何の予兆もなく突然変異とばかりに外界から遮断されてしまったものの何故か“水道”だけは機能する一棟の団地に取り残されてしまった住民達の極限状態での決死のサバイバル群像劇と言ったストーリーなのですが、舞台が多民族国家でもあるフランスで…人が生きる上で必要不可欠な“水源”は確保されているとくれば必然的に“食べる”事を巡っての多民族間での争いが勃発するのは火を見るより明らかな訳で…エグかったですねぇ~(怖)

直接的な描写は控えめながら“ソレ”を匂わす発言と年月が経過しても彼等が生き延びている時点で“おぞましい所業”が行われていた事実を物語っており、そんな事を想像してしまうと…身震いが止まりませんでしたYo。

とまぁそんな極限状態での人間の狂気と生存本能を未だに根深い人種間での争いを交えて描かれた見応えアリな問題作といった感触だったのですが、如何せん意外とスケールの大きな話で!登場人物も把握し切れない程の人数が登場してくるので(笑)これは90分の中編映画とかじゃなく配信ドラマなんかでじっくり描いた方が良かったんじゃないかなぁ~と。

そんな事を考えてしまうとゾンビを今作での人知を超えた超常現象に置き換えた…そう!さながら

団地版『ウォーキング・デッド』

に見えてくる不思議さと言ったらね(笑)
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